ワイルド・スピード MEGA MAX

 

「ワイルド・スピード MEGA MAX」( - メガ・マックス、原題: Fast Five)は、2011年公開のアメリカ合衆国のカーアクション映画。
ワイルド・スピードシリーズ第5作。

 

前作『ワイルド・スピード MAX』(2009年)に引き続きレースやカーマニアの要素は徐々に排されており、市街地でのカーチェイスなど車を使用してのチームアクション的な性格が強調されている。

 

2011年4月29日に北米で公開され、日本では正規公開日前の2011年9月23,24,25日の3日間に全国東宝洋画系にて先行ロードショーが行われた。

 

ストーリー


映画『ワイルド・スピード MEGA MAX』予告編

 

裁判で懲役25年の判決を言い渡され護送されるドミニク・トレットであったが、その護送車を複数の車が取り囲む。
相棒のブライアン・オコナー、妹のミア・トレットらの手引きにより護送車からの脱出に成功し逃亡したドミニクと、それを幇助したブライアン、ミアは国際指名手配されることとなった。

 

ブラジル・リオデジャネイロに逃亡したブライアンとミアは、そこでかつての仲間ヴィンスと再会。
ヴィンスから仕事を持ちかけられ、麻薬取締局が押収した車を盗むことになる。
その仕事には別れて逃亡していたドミニクも参加しており、3人は再会を喜ぶ。
走る列車の貨物車から車を運び出した一団であったが、仕事を持ちかけてきたヴィンスの仲間が突然襲いかかり、ブライアンとドミニクは捕らえられてしまう。

 

捕らえられた2人の前にエルナン・レイエスという男が現れ、ミアとともに消えたフォード・GT40の行方を聞き出そうとする。
レイエスの脅迫をやり過ごし、何とかミアの元へ帰還した2人は、GT40に搭載されたカーナビゲーションのチップの存在に気付く。
そこには悪徳実業家としてリオを牛耳るレイエスの闇金の流れが記録されていたのであった。

 

その頃、姿を現したドミニクとブライアンを追ってアメリカ外交保安部(DSS)の捜査官ルーク・ホブスがリオに降り立った。
ホブスは現地での通訳兼追加捜査員としてエレナ・ネベスを指名する。エレナは土地勘を活かしてドミニクたちの行方を特定、翌朝ドミニクたちを急襲する。
そこへ同じくドミニクたちを追うレイエスの部下たちも現れ、3者が入り乱れる銃撃戦に発展。
辛くも2者の追跡を振り切った後、ミアは2人にブライアンとの子供を身籠ったことを打ち明ける。
新たなファミリーの誕生を喜んだその夜、ブライアンはドミニクに新たに生まれる子供のためにも犯罪から足を洗いたいと相談する。
ドミニクは妹家族が平穏に暮らすため、「最後の仕事」としてレイエスの闇金1億ドルを強奪することを計画する。

 

計画遂行のためにはチームが必要であった。
マイアミでブライアンとコンビを組んだローマン・ピアースとそのサポート役を担ったテズ・パーカー、ドミニカでドミニクとガソリン強盗をしていたハン・ソウルオー、テゴ・レオ、リコ・サントスに、元麻薬組織員のジゼル・ヤシャールと、かつての2人の仕事仲間たちがリオに集結する。

 

10ヶ所に及んで隠されている金を全て奪うという計画の無謀さに呆れるファミリーだったが、ドミニクの計画はまず1ヶ所を襲い、あえて「他も襲う」と宣戦布告することで散在する金を最も厳重な1ヶ所に集めさせるというものであった。
ドミニクらの襲撃を伝え聞いたレイエスはドミニクの思惑通り、金を1ヶ所に集めるよう部下に指示する。
しかし、その「1ヶ所」とは何とレイエスに買収されたブラジル警察署内の巨大金庫であった。ラジコンによる潜入、監視カメラのハッキングなどにより、厳重な監視網を突破する方法を模索するファミリー。
ジゼルの活躍により開錠に必要なレイエスの掌紋を手に入れ、ハンがふと漏らした「透明な車が必要」という言葉から、警察署内における透明な車即ち警察車両を強奪して準備を整えていく。

 

一方、ホブス、エレナらは、1件目の強盗の捜査からドミニクのダッジ・チャージャーの情報と新たに集まったファミリーの入国を掴んでいた。
情報を掴まれていることに気づいたドミニクらは、ストリートレース会場にホブスらを誘き寄せ、ドミニクがホブスを挑発する間にテズが装甲車に発信機をつける。
ブラジルのレーサーたちに囲まれたホブスらは形勢不利と判断し一旦引き下がる。

 

決行前日、市場にいたミアをレイエスの部下が襲う。
しかし、そこへヴィンスが駆けつけ、無事にファミリーの元へ送り届ける。
レイエスの部下と組み、事実上仲間を裏切ったとしてドミニクに見捨てられていたヴィンスだったが、再びファミリーに戻り計画に加担。
その夜、ファミリーは計画成功祈願とミアの妊娠祝いの杯を交わす。

 

計画当日、ホブスらが街の反対側にいる絶好機に、ファミリーたちは出発の準備を進める。
しかしそこへ、発信機に気づきそれを逆手にとってファミリーのアジトを特定したホブスらが現れる。あえなく捕縛されてしまったファミリーだったが、連行中、計画を知ったレイエスの部下たちの襲撃に逢い、ホブスのチームが全滅してしまう。
ドミニクらの助けによって一命を取り留めたホブスは、部下を殺したレイエスへの怒りからドミニクの計画への協力を決意する。

 

警察車両を盗んだことから計画が知られたため、既に立てていた計画は使えない。
まず、ホブスの装甲車で警察署に正面から突撃し、駐車場と壁を隔てて隣接する証拠品倉庫にある金庫まで辿り着く。
金庫を牽引リールで繋いだドミニクとブライアンは、それぞれ運転する二台のチャージャーSRT-8で金庫を引っぱり出し、そのまま金庫を引きずりながらリオの市街を駆け抜け警察やレイエス一味とのカーチェイスを繰り広げる。
ファミリーのサポートもあって大勢の追っ手を振り切りレイエスを倒した2人に対し、ホブスは少しの猶予を約束し再戦を誓い合う。

 

無事1億ドルを手に入れたファミリーは、やがて思い思いの人生をスタートさせる。
これを最後に足を洗うと決めたブライアンはドミニクとの最後のレースに挑むのであった。

 

ミッドクレジット。DSS本部のホブスの元にFBI捜査官のモニカ・フェンテスが現れる。
モニカが持参したベルリンでのハイジャック事件の捜査資料には、死んだはずのレティ・オルティスの資料が挿入されていた。